日曜日、大阪天満橋のビジネス街にある派遣会社に派遣登録に行った。
貧乏なので少しでも金が必要だと思い行った。
空いている土曜、日曜などにたまに働きたい。
パソコン関連の派遣を主にしている会社だ。
でかいビルの中に派遣会社があった。
テレビドラマに出てくるようなオフィスといった感じだ。
…いきなり場違いな場所にきてしまったな。
中に入るとスーツ姿の若者であふれかえっていた。
こんなにいるのか!
新卒みたいなのも多かった。
不況で就職できなかったのだろう。
さすがに100年に1度の大不況だ。
みんな将来に不安を覚えているのだな。
このなかには無職もいるのだろう…
ワーキングプアだがきちんと社員で働いている俺は少し優越感にひたってしまった。
それにしてもみんなスーツを着て来ているな。
私服のチェックシャツ、ベージュのズボンの俺は浮いている。
明らかにパソコンなど扱えそうにない風貌をしているからな。
派遣だと思ってなめていた…
俺ぐらいの歳の人間など見かけんかったぞ。
まずは履歴書を渡して見てもらう。
俺の担当はキレイな姉ちゃんだった。
スーツ姿のスタイルのいい20代後半位の美女だ。
できるキャリアウーマンといった感じだ。
これくらいの歳てすごい色気が出てくるよな。
俺は見とれてしまった。
いいのぉ。
スーツ姿が似合っておるぞ。
業務的に喋る標準語がまたたまらん。
指輪をしておった
夜の乱れ具合はどんな感じだ?
くぅ!俺もこんないい女をひぃひぃ言わせたい!
他にもスーツ姿の女のスタッフがたくさんいた!
ハーレムじゃ!
ハーレムを形成しておる!
俺はこのキャリアウーマンに履歴書を見てもらったのだがじっくりと俺を品定めしおった。
そして俺の経歴にダメだししてきた。
ぬぅ…屈辱だ。
このキャリアウーマンは上流のいい男と付き合っているんだろうなあ。
勝ち組オーラが出ているぞ。
まさかブ男と付き合っているなどないだろう…
履歴書を一通り見てもらい面談が終わったので次はパソコンスキルをチェックだ。
ワード、エクセルなどはあまりできんかったが、タイピングは速く打てた!
女のスタッフも少しビックリした表情をしていた。
まさか俺のような男がタイピングできると思っていなかったのだろう。
キーボードを見ないでブラインドタッチだ!
見返してやった!
10年前からパソコンで日記をつけているからな。
速打ちはそこらへんのOLにも負けんぞ。
そして2時間位ですべてが終わる。
ふぅ疲れた。
結局この日面接で言われたのだが、男はあまり募集していないと言われた。
スキル不足も指摘された。
さらに一日、二日の単発の仕事はないと言われたのだ。
そりゃそうだよな。
日雇いのスポット派遣じゃないからな。
来るところを間違えたか…
今度は日雇いのスポット派遣に登録に行こう。
いい天気だったので帰りに近くの天満橋駅にナンパに向かうのであった。
続く…